糖質制限に着目してTwitterを見ていると、最新の記事だけでなく、半年以上も昔の記事を見かけることもある。
逆効果!炭水化物抜きダイエットこそ「太りやすい」食事だと判明
これなど、今となっては、執筆を担当したライターは、赤面しているのではないか。思い出したくない黒歴史になっているはずだ。
このような低レベルな糖質制限否定記事には、共通点がある。
1. 脂質(高カロリー)が肥満の原因だと信じている
人間、インスリンが大量に追加分泌されなければ、ちょっとやそっとでは太れない。つまり、体重を増やしたいなら、血糖値を上げる炭水化物(糖質)を摂取しなければいけない。
糖質の過剰摂取さえしなければ、脂質をいくら摂取したところで、体重は増えないのだ。これは糖質制限をしてみれば誰でもわかる事実だ。
ましてや、
しかし実際は、男性で41%、女性は50%以上の人が、脂質を25%以上とっています。ダイエットを気にしている女性が多いのに、意外ですよね。たしかに、スイーツは言わずもがなですし、パンもごはんに比べれば脂質が多い。お茶に比べたらカフェラテだって脂肪分たっぷり。現代の食事は戦後まもない1946年よりも、脂質が多い食事になりがちなのです。
ご飯に比べたパンの脂質、お茶に比べたラテの脂質の量などたかが知れている。
この程度の脂質摂取量では絶対に太らないと断言できる。
私はここぞとばかりに揚げ物やジューシーな肉を食べ、それどころかナッツやオリーブオイルで積極的に脂質を摂取しているが、体重は学生時代の水準を保ったままピクリとも動かない。
自宅でのデスクワークがメインで、運動量も少ない。いったいこれをどう説明するつもりなのか。
カロリーは空気中の燃焼をベースにしたエネルギー指標であり、人間の代謝をほとんど考慮していない。どんなにエネルギーのあるものを食べても、それが体に吸収され、蓄えられなければ、肥満の原因にはならない。
このような不完全極まりない “カロリー” という概念は、過去の遺物でしかない。
2. 炭水化物を過剰摂取するリスクに気づいていない
砂糖を過剰摂取をすれば害がある、という話を否定する人はいないだろう。
だが、なぜか穀物になると、過剰摂取しても害はないと考えるようだ。
炭水化物60%以上が理想的なカロリーバランス
などと書いているが、おかしいと思わないのだろうか。糖質制限の仕組みをまったく知らないのであればまだしも、これは糖質制限を題材にした記事だ。
砂糖も、穀物に含まれる糖質も、血糖値を上げ、インスリンの大量追加分泌を招く。
糖質とインスリンは肥満の直接的な原因だ。血糖値の乱高下は糖尿病、動脈硬化など、さまざまな病気のリスクを高める。
3. 自分の頭で考えられず、検証を一切しない
冒頭の記事は、管理栄養士・柴田真希『キレイに痩せたきゃ炭水化物を食べなさい』を紹介する体裁になっている。
だから責任はすべて柴田真希氏にあるとも言えるが、同業の目線からすれば執筆したライターの無責任さが目に付く。
問題は、自分の頭で考えられないことにある。書かれている内容を鵜呑みにしているからだ。
言うまでもないが、ある本に書かれているのは「正解」ではない。あくまでも著者・執筆者の見解でしかない。
もし、本を読み、自分の頭で検証しようという気があれば、『キレイに痩せたきゃ炭水化物を食べなさい』に書かれている内容が非論理的である、あるいは根拠がない、とすぐにわかるはずだ。
このような人は、「空の色は緑である」と書かれている本があったら、そのまま信じるのだろうか。
ぜひ “意外! 実は空の色は「緑」だったと判明” という記事を書いて、世の中に発表してほしいものだ。
いつも投稿を拝見しています。
私は専ら糖質制限派なのですが、下記URLのブログに記載がある論文にて糖質制限より脂質制限が明らかに脂肪燃焼するという内容にて掲載されています。
これについて主様のご意見を聞かせてもらえますでしょうか。
https://yuchrszk.blogspot.jp/2016/01/blog-post_11.html?m=0