糖質制限の危険性:活動性膵炎、肝硬変、長鎖脂肪酸代謝異常症、糖尿病腎症、機能性低血糖症の方は注意

糖質制限は、誤ったやり方(同時にタンパク質&脂質を制限する栄養失調ダイエット、急激かつ極端な制限など)をしなければ、健康体の場合は驚くほど弊害がありません。

むしろ、意外な慢性症状が改善するなどの報告もあがっています。

糖質制限の効果:その他、さまざまな効果 | 炭水化物は嗜好品

長期的に見た場合に、「高タンパク質食は発がん性を高める」などの見解もありますが、そのぶん炭水化物を食べて肥満・高血圧・糖尿病等のリスクを抱えるのとどちらがいいか、というトレードオフの話でしかありません。

少なくとも、寿命が半分になってしまうような致命的なリスクは報告されていません。

ただし、もともと健康体でない場合は、注意が必要なケースがあります。

私は医者ではありませんので、解説は、糖質制限による糖尿病治療の第一人者である、江部康二医師に譲ります。

結論を言えば、「活動性膵炎、肝硬変、長鎖脂肪酸代謝異常症、糖尿病腎症、機能性低血糖症の方は注意が必要」ということです。

 
ドクター江部の糖尿病徒然日記  <糖質制限食に関するお知らせ・お願いなど> 2014年3月

血液検査で、活動性の膵炎がある場合、肝硬変の場合、そして長鎖脂肪酸代謝異常症は、糖質制限食は適応となりませんのでご注意ください。

糖質制限食は相対的に高脂肪食になるので、活動性膵炎には適応とならないのです。

肝硬変では、糖新生能力が低下しているため適応となりません。

長鎖脂肪酸代謝異常症では、脂肪酸が上手く利用できないので、適応となりません。

腎機能に関して、日本腎臓病学会編「CKD診療ガイド2012」において、GFR60ml/分以上あれば顕性たんぱく尿の段階でも、たんぱく質制限の必要なしと明示され、日本糖尿病学会も2013年3月の提言で、それに従うとしました。

従いまして、糖尿病腎症第3期Aまでは、糖質制限食OKです。

また、米国糖尿病学会(ADA)は

Position Statement on Nutrition Therapy(栄養療法に関する声明)
Diabetes Care 2013年10月9日オンライン版

において、糖尿病腎症患者に対する蛋白質制限の意義を明確に否定しました。

根拠はランク(A)ですので、信頼度の高いRCT研究論文に基づく見解です。

今後は、糖尿病腎症第3期B以降(GFRが60ml/分未満)の場合も、患者さんとよく相談して、糖質制限食を実践するか否か、個別に対応することとなります。

なお、機能性低血糖症の場合、炭水化物依存症レベルが重症のとき、糖新生能力が低下していることがあり、まれに低血糖症を生じますので注意が必要です。

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