LBR記事 “危険!「炭水化物抜き」ダイエットでみるみるおブスになっちゃう理由” は信頼性ゼロ

糖質制限に否定的な記事が出ていたので、検証したい。

危険!「炭水化物抜き」ダイエットでみるみるおブスになっちゃう理由| Life & Beauty Report(LBR)

 

冒頭で能登論文のみを引用

ライターの前田紀至子氏は、記事にも書いてあるとおり「極端なダイエットはよくない」という立場であるようだ。

糖質制限も極端なダイエットとして捉えているようで、最初から否定的であるのがわかる。

冒頭では、糖質制限否定によく使われる、いわゆる能登論文のみを引用している。

能登論文の問題点に関しては、江部医師が整理しているので、参考にしてほしい。

ドクター江部の糖尿病徒然日記  能登論文の問題点

能登論文を信頼できると仮定しても、フェアな立場から研究を紹介するのであれば、たとえば、

ようやく日本人のエビデンス登場 糖質制限食vsカロリー制限食|カラダご医見番|ダイヤモンド・オンライン

今回の試験でも腎機能の悪化や脂質異常は認められなかった。研究者は、長期の大規模比較試験の必要を認めながらも「現時点で、カロリー制限食に対するサブ的な食事療法として糖質制限食は安全で有効だ」と結論している。

なども併せて紹介するのが妥当ではないだろうか。

 

「筋肉が減り代謝が低下する」は事実無根

続いて、

■炭水化物を食べないと筋肉が減ってしまう→基礎代謝が減る→冷えに繋がる

さて、ここからは炭水化物摂取量が少ないことによってすぐに現れるだろうリスクをご紹介しましょう。炭水化物を摂取しないことで、体内の糖質が欠乏してしまうと、体は危機を感じ取り、筋肉中のたんぱく質をエネルギーにして脳や神経に糖質を行き渡らせようとします。筋肉中のたんぱく質が減るということは筋肉が減るということ。それの繰り返しにより、基礎代謝が低下し、体温も下がり冷えを招いてしまう危険が。

と書いているが、ここはまったく酷い。完全に誤りだ。調査も試験もせずに書いているのは明白である。

新陳代謝により、体中の細胞は常に入れ替わっている。

筋肉も同様。減って、新しく生成して、と繰り返している。

糖新生により筋肉が分解されれば、そのぶん新たに生成されると考えるのが自然だ。しかも糖質制限食では、タンパク質の摂取量が増えるので、材料となるアミノ酸には事欠かない。

実際、私は体組成計で計測しているが、筋肉量は減っていない。糖質制限で筋肉量が減るという医学的エビデンスも存在しない。

「糖質制限をすると筋肉が減る」は本当か | 炭水化物は嗜好品

しかも、インスリンの追加分泌が減り、糖新生を積極活用する影響で、基礎代謝は大幅に向上する。

糖質制限の効果2:基礎代謝が大幅に向上する | 炭水化物は嗜好品

【糖質制限開始3ヶ月でのタニタ体組成計データ】
男性34歳、身長174cm、運動らしい運動無し
体重65.0kg(ピーク時より-5.0kg超)
体脂肪率15.0%
筋肉量52.4kg(スコア0=平均的)
基礎代謝1536kcal / 日(20歳並み)

憶測でものを語るのは結構だが、憶測なら憶測だと明記するべきだ。

 

炭水化物を抜くと悪玉菌が増え健康に悪い、と持論を展開

続いて、

■炭水化物は善玉菌の素になるので、炭水化物を抜くと悪玉菌が増える

実は腸を美しく保つためにも炭水化物は必要なんです。腸内で悪玉菌を増やす素になるのがたんぱく質で、善玉菌を増やす素になるのが炭水化物。炭水化物抜きダイエットを続けると、腸内の善玉菌が減ってしまい、悪玉菌が繁殖してしまいます。悪玉菌が発する有害なガスは便秘を悪化させたり、老廃物を腸内に長く滞らせたりしてしまいますので、美腸のためにも適度な炭水化物を摂るようにしましょう。

との持論を展開している。

炭水化物を主食にしていて、急に炭水化物の量を減らすと、腸内細菌のバランスが崩れてお腹の調子が悪くなるケースがあるのは事実だ。

腸内細菌の分布が炭水化物食に最適化されているためだと推測され、私も実際に便秘気味になった(下痢になる方もいるそうだ)。

が、数週間〜1ヶ月ほどで糖質制限食に適応し、お腹の調子も落ち着く。私自身、糖質制限開始1ヶ月半の時点で、何の問題もなくなった。

そもそも、腸内細菌の活動はほとんど明らかになっていない。「美腸のためにも適度な炭水化物を摂るようにしましょう」などと断定的に書いている時点で眉唾と言える。

仮に善玉菌が健康増進に大切だとしても、炭水化物を減らすかわりに、食物繊維(つまり野菜)やヨーグルトを日常的に摂取することで補える。

糖質制限食では、タンパク質だけを食べるわけにもいかないので、残された選択肢を考えると野菜の摂取が増えるのが一般的であり、単純に「炭水化物を抜くと悪玉菌が増える」と断定するのは無理があるだろう。

 

栄養学を本質的に見直せ

ライターの前田紀至子氏は、最後にこう締めくくっている。

極端なダイエットは良くないのは、炭水化物に限ったことではありません。大切なのは栄養素を理解しながらバランス良く食べること。そのためにも何をどれくらい食べるのが良いのかを具体的に理解しておくと良いですね。

私に言わせれば、大切なのはバランス良く食べることではなく、栄養学を本質的に見直すことだ。

すなわち、食物の消化吸収・代謝を考慮せずにカロリーに一括変換して生まれた「バランス」に惑わされず、事実を目を向ける必要がある。

糖質を主食として摂取し、インスリンがドバドバ追加分泌されていては、食事量を「女性用のお茶碗に軽く1膳」などと制限しなければならず、かなりの強度の運動も必要だ。

もちろん、それが好きなら制止はしないが、多くの人はきっとそうではないだろう。

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One comment

  1. 夏井先生のサイトからやってきました
    私が思うに、この記事に対しての最大の反撃は、炭水化物抜きダイエットが「ミス日本」の基本だ、という事実です
    藤原紀香さんとかで有名な「ミス日本」を主催している和田研究所さんが提唱しているのがこのダイエットです
    つまり、糖質オフダイエットこそ健康美人を作る!

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